ガールパワー(Girl Power、GRL PWR)の意味とは?歴史や使い方を知る!

海外のTシャツで「GRL PWR」なんてロゴがプリントされているのを見たことがありませんか?略さずに表記すると「GIRL POWER(ガールパワー)」という言葉になります。

今回はガールパワーの意味や語源、どんな風に使うのかを調査してみました!

ガールパワーって何?

Photo by Nicolas Postiglioni

ガールパワーは1990年代にパンクシーンで生まれた言葉で、少女や若い女性同士の結束や独立意識を意味する流行語でした。

現在は女性が自分の好きなように生きる・自分らしくいることという意味で使われています。

ガールパワーの発祥は?

ガールパワーという言葉をはじめに流行させたのは、1990年代初頭パンクバンドBikini Killのボーカル、キャスリーン・ハンナでした。

彼女がファン向け雑誌(Fanzine)のタイトルとして「ガールパワー(Grrrl Power)」使用したことをきっかけに、90年台初頭から中期のパンクカルチャーで人気を博します。

当時Bikini Killを中心とする女性バンドたちは、男性が支配していたオルタナティブロックシーンの中で性差別やライヴ会場での様々な暴行事件などをきっかけに声をあげ、1990年代初頭のRiot Grrrl(ライオット・ガール)と呼ばれるムーブメントを起こします。

「ガールパワー!」のスローガンと共に精神的・政治的仲間意識を広め、当時の女性たちに多大な影響と勇気を与えました。

当初のガールパワーは若い女性や少女達の仲間意識とか、男性に負けないパワーって意味合いが濃いみたいね

爆発的に流行した「ガールパワー」

初期の頃はパンクな意味合いの濃かったガールパワーも、1990年代半ばに大きな変化を迎えます。そのきっかけとなったのが「スパイス・ガールズ」のデビューです!

DMI Celebrity and Red Carpet Photography © Time Inc.

スパイス・ガールズって誰?

イギリスの5人組ガール・グループ「スパイス・ガールズ」

1996年にデビューシングルWannabe(ワナビー)をリリースするや否や、37か国で首位を獲得。デビューアルバムSpice(スパイス)は3,100万枚以上の売上を記録し、歴史上最も売れた女性グループのアルバムとなりました。

スローガンは「ガール・パワー」!

Photo from Instagram @spicegirls

その頃までの女の子は大人しく、おしとやかで静かでいなくてはいけない。と無意識に抑制されていることが当たり前だったのに対して、「女の子だってやりたいことをやる!」「ありのままの自分でいる!」というメッセージを発信し、世界中の女の子達に衝撃を与えます。

最もヒットした曲「Wannabe(ワナビー)」では、異性愛者の絆を超えた女性の友情の価値を歌い、メンバー5人にはそれぞれ違うニックネームが付けられました。

ファッションやキャラクター、考え方など様々な方法で「自分らしくいること」を体現し、人々を魅了しました。

そしてもちろん、スローガンは「ガールパワー」

この頃のガールパワーは「女性だって自分らしくいたい!」って意味を強く感じるわ。

スパイスガールズが与えた影響

ガールパワーを世界中に広めたスパイス・ガールズですが、なんとたったの5年しか活動せず2001年に活動休止してしまいます💦

本当に短い活動期間だったこともあって、当時を知っている人には強い印象を与えたわ!逆に今の若い世代にはあまり馴染みがない人も多いわね。

彼女達の発信したメッセージは、女の子達の在り方・考え方に大きな勇気と影響を与えました。

現在も多くのアーティストや有名人が、スパイス・ガールズのファンであることを公言しています。

エマ・ストーン Emma Stone

2021年の映画『クルエラ』(Cruella)で主演を演じたエマ・ストーン!一緒に写っているのはスパイス・ガールズのメンバー、エマ・バントン(Emma Lee Bunton)。

アデル Adele

これまでにグラミー賞15回受賞した歌手アデルは幼い頃からスパイス・ガールズのファンだったことを公言しています。

ガール・パワーの使い方は?

90年代に定着した「ガールパワー」の考え方は、強く生きる女の子を象徴するワードとなりました。

しかし現在では、女性が自分らしくいることは当然の権利。ジェンダーレスの時代に突入する中で、ほとんど使われない言葉になっています。

とはいえ、現在もガールパワーは誰にも支配されずに自分らしくいる女性の力!という意味として幅広く知られています。パワフルな女性の魅力を表現するワードとして使いたいと思えるシーンでカジュアルに使えますよ!

日本で言う「女子力」とは違う!

日本語の「女子力」って?

日本における「女子力」とは、料理や掃除など家事が得意なことや、気配り上手であることを指す傾向にあります。いつも身だしなみを整えていてオシャレを欠かさない女性を「女子力が高い」と言うこともあるでしょう。

GIRL POWER ≠ 女子力

英語で言うガールパワーは「女性もありのままで」「やりたいことをやる」「誰にも支配・抑制されない」といった、女性が男性と変わらない力をつけるまでに時代と共に歩んできた進化の歴史があります。

一見直訳すると同じに感じる「GIRL(女子)POWER(力)」ですが、使うシーンは全く異なります。

まとめ

Photo by Tima Miroshnichenko

ガールパワー(Girl Power)
  • 現在の意味は女性が自分の好きなように生きる・自分らしくいること。
  • 90年代前半にミュージックシーンから生まれた
  • スパイス・ガールズが世界中に広めた
  • 日本の女子力とは意味が違う

いかがでしたか?ガールパワーの言葉が生まれてから大流行するまでに女性が男性と同じように主張する世の中へ変化していきました。

時代と共に男女平等、ジェンダーレスへと人々の意識が変わっていきますが、一つの歴史的な変化として覚えておきましょう!

この記事は2022年6月時点での解釈・まとめです