X(Twitter)で猛威を振るっている「インプレゾンビ」の存在。
何回ブロックしても一向にいなくならないインプレゾンビは、「まるでゴキブリのようだ」と揶揄されることも……。
今回は、快適なSNSライフを阻害するインプレゾンビの目的・対処法についてご紹介します。
インプレゾンビの具体的な対策方法も解説していきますので、これからもXを楽しむために参考にしてくださいね。
Contents
インプレゾンビとは
インプレゾンビとは、Xの広告収益配分を目的としたアカウントです。
インプレゾンビの特徴・行動
インプレゾンビの最大の特徴は、意味不明で内容の浅いリプライの連投です。
以下に、インプレゾンビ特有の投稿内容の例をご紹介します。
- 絵文字のみ
- アラビア語や英語などの内容
- 他のポストをコピペ
- AIで生成したような不自然な内容
- 元のポストの内容と噛み合わない内容
- 自分の過去のポストの引用
これらの特徴として、他者からの反応(いいねやリポスト)や会話を求めず、インプレッション(閲覧数)だけを目的としていることがわかります。
インプレッションを得るためにゾンビのように湧いてくる、正体不明のアカウント。彼らはその特徴から、総称して「インプレゾンビ」と呼ばれます。
インプレゾンビの目的
インプレゾンビの最たる目的は「Xの広告システムを利用したお金稼ぎ」です。
2023年7月から、Xでは広告収益配分システムがリリースされました。
広告収益配分システムとは「自分のポストのリプライ欄に配信されている『広告収益』の一部をもらえるシステム」です。
当然の話ですが、広告収益による利益は閲覧者がいなければ増えません。誰も広告を見なければインプレッション数も上がらないのです。
そして投稿に対するインプレッション数が増えるほど、広告収益の分配額も上がります。
インプレゾンビたちは、広告収益を得るためにインプレッション数を増やす行動を起こします。
その結果、バズった投稿に意味不明なリプライをつけたり、同じような内容を連投したりするのです。
インプレゾンビに公式マークがついている理由
インプレゾンビは、ほぼすべてのアカウントに公式マークが付与されています。
なぜならXユーザーとして広告収益を受け取るためには、有料プランであるX Premiun(旧Twitter Blue)に加入する必要があるからです。
また収益を得るための条件は、X Premiunへの加入だけではありません。
- 500人以上のフォロワーの所持
- 直近3カ月以内で500万インプレッションの取得
上記の条件を満たしていなければ、アカウントの収益化はできません。
つまり直近でどれほどインプレッションを獲得していても、継続的にインプレッションを得続けなければ、収益化が止まってしまうのです。
インプレゾンビたちは、数カ月後も安定して金銭的利益を得続けるために、今日もインプレッション数を稼ぎ続けています。
インプレゾンビが発生することによる悪影響
迷惑極まりないインプレゾンビ。ここでは、インプレゾンビが発生することによる悪影響を解説します。
リプライ欄が意味不明な投稿で埋まってしまう
インプレゾンビは、インプレッション数のために内容のないリプライを投稿します。その結果、バズったポストや話題性の高いポストのリプライ欄が、意味不明な投稿内で埋まってしまうのです。
SNSの醍醐味として、1つの話題に対する多様な意見が挙げられます。多くのユーザーが多様な視点から意見や感想を出し合うことで、リプライ欄を見ているだけの人でもさまざまな価値観に触れられます。
しかしインプレゾンビによる内容のない投稿でリプライ欄が埋められると、他者の意見に触れる体験ができません。
またインプレゾンビは、総じて有料アカウント。X Premiunの特典には「無課金ユーザーよりも優先して上位表示されやすい」が含まれています。
そのため「無課金ユーザーが投稿した有意義なリプライ」よりも「後からインプレゾンビが投稿した無意味なリプライ」のほうが、無条件に優先表示されてしまいます。
インプレゾンビが好き勝手するせいで、SNSとしてのXの質も下がっているともいわれているわ。
重大なポストの妨げになる可能性がある
昨今、インプレゾンビによる大きな弊害が指摘されています。それは「重大なポストの妨げになる可能性」です。
例として、2024年1月1日に発生した能登半島地震におけるインプレゾンビの問題が挙げられます。
能登半島地震では、1日16時から8日13時にかけて、最大深度5弱以上の地震が15回以上発生しました。その度にXでは、災害情報の発信を専門とするアカウントが多くのポストを投稿しています。
当時は多くの一般ユーザーが速報アカウントの投稿を参考にしており、防災や最新情報を確認していました。
その速報アカウントに目を付けたのがインプレゾンビ。インプレゾンビは地震速報や被災者の被害情報をコピペしてポストし、収益のためにインプレッション数を稼ぎはじめたのです。
とくに日本語が読めない外国人のインプレゾンビの場合、内容を理解しないまま「インプレッションが稼げそうだから」という理由だけで、地震や救助要請のハッシュタグまでコピペして投稿します。
その結果、何が起こったかというと……
- 最新の災害情報を収集しにくくなった
- 虚偽の救助要請が広がり、現場が混乱しやすくなった
とくに後者の影響は深刻であり、人命や救助にかかわる大きな問題です。
今回の件を受けて、多くのXユーザーが「今までも迷惑だと思っていたが、いよいよ問題解決に動いてほしい」という趣旨の意見を発信しています。
現在は、X社からのアナウンスはとくになし。今後の対応に注目が集まるわ。
Xのシステムが変わらない限り、インプレゾンビも消えない…
インプレゾンビは多きのユーザーから批判を受けていますが、行動理念自体は責められることではありません。
なぜならインプレゾンビは「Xが正式に展開しているサービスのなかで、正規の方法で金銭的利益を得ているから」です。
お金を稼げるプラットフォームで、用意されたシステムを活用し、合法的にお金を稼ぐ。Xおけるこの構図は、YouTubeやポコチャなど他サービスと同じです。
そのため、どれほど迷惑であっても、Xのシステムが変わらない限りインプレゾンビも消えません。インプレゾンビは犯罪を犯しているわけでも、詐欺を働いているわけでもないのです。
ただし、能登半島地震で混乱を招いたように、状況に応じてインプレゾンビの行動が犯罪に認定される可能性はあるわ。
そのためインプレゾンビへの対処法は、「Xをやめる」「諦めて受け入れる」「なるべく目に入らないように対策する」の3つに大別されます。
インプレゾンビを対策する2つの方法
ここでは、インプレゾンビを対策するための方法を2つご紹介します。現状のインプレゾンビ対策では、ユーザーの手動による設定が必要です。地道な作業ではありますが、コツコツと続けていくことで少しずつXが快適になっていきます。
一つひとつのアカウントをブロックする
インプレゾンビ対策として、一つひとつのアカウントをブロックすることが挙げられます。
ブロック後は該当のタイムラインから排除されるだけではなく、別のポストのリプライ欄でも表示されなくなります。とくに1人のインプレゾンビが大量にポストしている場合は、ブロック対応をするだけで快適にタイムラインを閲覧できるでしょう。
- ポストの右上に表示される「…」を選択
- 「〇〇さんをブロック」を選択
ただし「短期間に大量のアカウントをブロックすると、自分のアカウントが凍結対処になる」という情報も。とはいえ、凍結する条件は明確に提示されていません。
参考までに当記事のライターの実体験として、1日に30~50件程度のブロックであれば。翌日以降も問題なく操作できることがわかっています。
アカウントをスパム報告する
インプレゾンビのアカウントをスパム報告することで、相手のアカウントを凍結させやすくなります。
- ポストの右上に表示される「…」を選択
- 「○○さんを報告」を選択
- 「スパム」をチェックし、下部の「次へ」を選択
- 「完了」を選択
一人ひとりのスパム報告が、インプレゾンビの発生を防ぎます。ブロック設定と合わせて、積極的に取り入れていきましょう。
自分の投稿のリプライ欄にインプレゾンビが発生したときの対処法
ここでは、自分の投稿のリプライ欄にインプレゾンビが発生したときの対処法をご紹介します。ポストの投稿者だからこそできる操作を学び、インプレゾンビによる被害を最小限に防いでいきましょう。
アカウントを非表示にする
投稿者は、自身のポストについたリプライに対して、非表示設定を行えます。
- ポストの右上に表示される「…」を選択
- 「返信を非表示にする」を選択
非表示設定にされたポストは、すべてのユーザーから見えなくなります。つまり、インプレゾンビにとって最重要であるインプレッションを稼げなくできるのです。
ブロックやスパム報告だけでは、インプレゾンビのポスト自体は存在し続けてしまいます。投稿者特権である非表示設定を有効活用し、インプレゾンビを追い出しましょう。
リプライ欄を封鎖する
リプライ欄を封鎖することで、インプレゾンビを含むすべてのユーザーからのリプライを拒否できるようになります。
インプレゾンビからのリプライのみを拒否することはできませんが、「自分がフォローしているユーザー以外からのリプライを拒否」は可能です。
- 元のポストの右上に表示される「…」を選択
- 「返信できるユーザーを変更」を選択
- 「あなたがフォローしているアカウント」か「自分のみ」の好きなほうを選択
選択した時点で返信可能なユーザーが限定され、インプレゾンビの発生・増加を防げます。
途中からインプレゾンビが発生したときにも有効な方法よ!
迷惑極まりないインプレゾンビ。今後の対応に注目
今回は、迷惑なインプレゾンビの目的や、対処方法をご紹介しました。
誤解のないように記すと、インプレゾンビの原因である広告収益自体は、Xの有料会員であるX Premiumへの登録を促す画期的な仕組みです。
Xの広告収益があるからこそ、さまざまなクリエイターがSNS発信により報酬を得られます。とくに今までスポットが当たらなかったクリエイターが、影響力やスキルに応じた適正な報酬を得られるようになってきたのも、X Premiumが展開されているからこそです。
しかしテクノロジーやサービスの発展には、光も闇もあるものです。金銭の獲得だけを目的としたインプレゾンビは、クリエイティブな発信は行いません。多くの人にとっては迷惑な要素でしかなく、快適なSNSライフを妨げる大きな要因です。
インプレゾンビへの対応を行いつつ、今後のX社の動向に注目していきましょう。
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